コロナウイルスにより、見える見えないにかかわらず働き方が見直されている今。
多様性やダイバーシティも促進されている世の中で、今後更に「働く人」や「働き方」の幅は広がっていきそう。
就職や転職の参考にしていただけると嬉しいです。
多様性とは何か。目が見えなくてもできる仕事は何か。
視覚障害者の視点から、できる仕事を考えてみましょう!
就業者のうち6割以上が「按摩鍼灸(あんましんきゅう)」
(友人妻)
視覚障害者は「按摩鍼灸(あんましんきゅう)」に就いている人が多いって言ってたよね。
うん、視覚障害者以外の人がこの職種に参入しにくいように、法律で昔から保護もしてるから、割合も高いんだ。
(友人)
按摩鍼灸に就いている人は多い反面、実際に他の職業に就いている人もいるよね?
コロナで働き方も変わってきてるし、実は仕事の幅が広がってるかも!?
以前の記事でも紹介したとおり、視覚障害者の就業している方のうち6割以上が”あはき業”と呼ばれる「按摩鍼灸(あんましんきゅう)」に就いています。
▼▼以前の記事はコチラ
按摩鍼灸は、患者に直接触りながら施術を行うため、見えなくてもその他の感覚を使って仕事ができるんですね。
視覚障害者にとっても働きやすい仕事の一つです。
新型コロナウイルスの影響により、働き方全般が見直されつつある今は、デジタル化やリモートも進んでいます。
按摩鍼灸以外にも、視覚障がい者が携われる仕事を考えてみましょう!
視覚障害者が”できること”と”苦手なこと”
(妻)
よーすけと一緒に暮らしていると、見えなくても、できないことの方が少ないなってすごく感じます!
(友人)
そう思う!そこに行き付く過程では苦労もあったと思うけどね。
じゃあさ、いろいろ考える前に、まずは視覚障害者の”できること”と”苦手なこと”で整理してみようか。
もっと褒めてくれてもいいんだよ?(笑)
◆できること | ◆苦手なこと |
・言葉で伝えること | ・視覚情報が必要な資料の作成 |
・相手の話を聞くこと | ・文字(点字以外)をそのままの形で読むこと |
・タイピング、PC作業 ※音声ソフトあり | ・素早い移動が必要なこと |
・楽器を演奏すること | ・乗り物の運転 |
・料理をすること | ・視覚情報から欲しい情報を瞬時に見つけること |
・SNSに発信すること | ・見た目の良い写真を撮ること |
・点字を読むこと ※全員ではない | ・所定の枠に文字を書くこと |
・スマホ操作 | ・顔を識別すること |
・資格を取得すること | |
・笑いをとること(笑) | |
・声を識別すること | |
・食べること | |
・触れて確かめること | |
・本を読むこと ※点字や音声で読むこと |
上記は、全盲であることをベースに書きました。弱視や視野が狭い方など視覚障害者全般で考えると、また変わってきそうです!
”笑い”についてはよーすけが自信がある項目なようなので入れましたが。(笑)
2018年のR−1ぐらんぷりでは視覚障がい者の濱田祐太郎さんも優勝していました。
笑いのセンスは必要ですが、できることの一つに間違いないです。
”できること”から見えた!視覚障害者ができる仕事の種類
(友人妻)
見えなくてもできることって本当にたくさんあるね!
有名人だとスティーヴィー・ワンダーさんや辻井 伸行さんのように音楽系の人も多いかも。
技術者としては、IBMの最高技術職に就いている浅川智恵子さんも有名だよ!
見えるとか見えないとか関係なく、純粋にすごいよね〜
(友人)
“できること”から考えると、相手の話を聞いて、そして相手に伝えることは仕事で重要な「コミュニケーション」の根幹だから、多くの仕事に当てはまりそうだね!
(妻)
そうですね!
今後さらに技術の進化や働き方の変化によって、たくさんの仕事の可能性が出てきたら良い社会になりそうです♪
“できること”から考えられる仕事は、以下が当てはまります。
◆できること | ★仕事★ |
・言葉で伝えること | 講師、声優、営業、ラジオDJ、経営者、コールセンター、政治家 |
・相手の話を聞くこと | カウンセラー、コーチング、スナックのママ、接客 |
・タイピング、PC作業 | 事務、営業アシスタント、執筆、情報処理技術者 |
・楽器を演奏すること | 音楽家、演奏者 |
・料理をすること | 料理人、主婦、主夫 |
・SNSに発信すること | YOUTUBER、 |
・資格を取得すること | FP、会計士、弁護士 |
・笑いをとること | 漫才師、落語家 |
・食べること | グルメレポーター、フードファイター |
・触れて確かめること | 按摩鍼灸、理学療法士、ケアマネージャー、作業員 |
上記のうち多数の職種で、実際に視覚障害のある方が活躍されているんですよ。
また、例えば営業職は、コロナウィルスの影響でWeb上でも完結する業務方法にシフトしている企業も増えています。
方法が変われば、視覚障がい者の仕事の幅が広がることにも、より可能性が出てきそうですね。
多様性を考えよう!
視覚障害者は白杖一本で、見える人を中心とした街を歩き、見える人を中心に考えられたパソコンやソフトを使いこなしています。
それゆえ、見える人が中心の職場で一緒に働く必要があります。
さらに、仕事の成果も見える人の視点に立って行わなければならない。
でも、逆はどうでしょうか?
見える人は、見えない人のことを考えて仕事をしているでしょうか?
身近に見えない人がいないと、正直、それらを日常で感じることはなかなかないですよね。
そう考えると、視覚障がい者の人は異なる立場の人と共生できて、多様性を体現して生きていると言えそうです。
また、どの仕事でも、見えないことによって誰かの力を借りなければできないことが必ず出てくると思います。
でもそれは、見えている人でも一緒ですね。
多様性やダイバシティーが社会や企業で推進されている今こそ、仕事の基本である「助け合い」に立ち戻ることが大切。
誰もが心地よく働ける環境を作っていきましょう!