生活する上で欠かせない「家事」。
視覚障がい者は、どのようにして家事をこなしているのでしょうか?
当事者であるメンバーよーすけの話を元に、工夫していることや、便利な道具を紹介します!
みんな家事、どうしてる?
(友人妻)
うちはその時々で家事を分担しているんだけど、よーすけくんとゆーなちゃんはどうしてるの?
うちも分担してるよ!
見えないから気をつかうものもあるけど、便利グッズも増えてきて、できることは率先してやってる〜♪
一人暮らし、実家暮らし、夫婦暮らし、子どもがいる暮らし・・・様々な家庭があると思いますが、みなさんは家事をどうこなしていますか?
最近では共働きも増え、家事を協力してこなすうちも増えてきているみたい。
見える人にとっては当たり前の「家事」。
では、見えない人はどうやってこなしているんでしょう?
当事者であるメンバーよーすけの話を元に、家事をこなしている様子や便利グッズもご紹介します!
スーパーで買い物をするとき
家族がいればパートナーや親・子と共に買い物に出かけられますが、一人では商品の判別がつかず、見えない人はなかなか苦労するもの。
実際には、どうやってこなしているんでしょうか?
一人での買い物『スーパー(実店舗)』
一人で近所のスーパーに買い物に行く時は、店員さんへ案内を依頼します。
誘導も含むため、「肘を掴ませてください。」と店員さんにお願い。
「レタスとトマトを探しています。」「賞味期限はいつまでですか?」など、商品情報を聞きながら店内をまわります。
仲良くなった店員さんには、お買い得情報を気軽に聞きやすくなることもありますよ♪
また、ゆっくり商品を見てまわれなかったり、案内してもらえないことを防ぐため、夕方の混雑時間は避けるようにしています。
一人での買い物『ネットスーパー』
(友人)
よーすけは、ネットスーパーもよく使ってたよね?
見える俺たちも、ゆっくり品物を選べるし、家まで届けてくれるから楽だよね〜。
都心ではネットスーパーも一般的になってきた日本。
イトーヨーカドーのネットスーパーは、パソコンの画面読み上げソフトにも対応しているので、見えない人も安心して使えます。
お店では店員さんに案内してもらう必要がありますが、ネットスーパーであれば、気兼ねなく買い物ができますね。
ネットスーパーのデメリットは、配送可能エリアの範囲にあるかどうか、という点。
配送料金含めて、要確認です!
二人での買い物
(妻)
二人での買い物もよくするけど、私がサポートできる分、よーすけは買い物しやすそう!
カートは私が押して、よーすけは私の肘に捕まってます!
パートナーがいれば、気兼ねなくお店での買い物ができますね!
好きな食べ物や目的の食材、生活用品や洋服など、会話をしながら、見て触って選ぶこともしやすいようです。
一人での買い物は、周囲の人へもいつも以上に気を使いますが、知っている人に案内してもらえる分、その辺りも安心です♪
料理をするとき
お米をといだり、料理をしたり・・・
目が見えないと包丁は危ない!火加減ってわかるの?と思いがちですが、慣れている人は、視覚障がい者でも料理までこなしてしまいます。
最近は便利な家電が増えてきたので、共働き家庭は家事の負担が減らせることはもちろん、見えない人も、より炊事をしやすくなりました!
調理〜包丁や火はどう使う?〜
包丁は一見見えないと危ないように思いますが、使い方を間違えなければ、問題ありません。野菜は触って形を確かめながら、包丁で切っていくことができますし、豆腐は掌の上で優しく切っていくことができます。
炒め物や煮物だって問題ありません。炒め具合は、音で判断します。火が通ってくると、特に玉ねぎなどは音が変わってくるんです。そして、もし不安であれば味見してみるんです!
火傷はしないの?とよく聞かれますが、フライパンや鍋の位置を把握しておけば大丈夫。配置がわからなくなっても、菜箸で探ればだいだいわかるんです♪
ガスの火が不安な見えない友人は、IHを使っているようです!
自動調理鍋「ホットクック」がすごい!
食材と調味料を入れるだけで出来上がる無水自動調理鍋。
5万円程しますが、それくらいの価値あり!
とても便利で、よーすけ&ゆーな夫婦も愛用中です。
煮物やカレー、パスタ、ケーキなどなど、いろいろ作れることはもちろんのことながら、部分的な音声ガイドもついているので、視覚障がい者でも使いやすい。
普通の調理は、”ちゃんと火が通っているかな?” ”こぼれちゃわないかな?” “火傷も怖いな・・・”といった心配事がありますが、ホットクックは放ったらかしで完成しますよ♪
洗濯をするとき
家事の中では、視覚障がい者も一番安心してできることかも!?
また、見えないからこそ、衣類判別のための意外なポイントもありました。
洗う
洗濯機には点字が付いているものが多いので、問題なく操作できます。
点字が読めなくても、ボタンの位置や押す回数を覚えていれば難なく操作できますよ。
最初にボタンの位置を教えてもらうことが大切ですね。
洗剤の分量は見えないので、重さなどの感覚で覚えるか、手で確認。
最近はジェルボールの洗剤も登場していますので、これを使えば視覚障がい者でも洗剤軽量の手間なく、洗濯ができますね!
干す
洗濯終了は見える人同様に、音で確認することができます。また、洗濯機の蓋があかないときは、まだ終わっていないんだなって判断します。
干す作業も、手の感覚で干していきます。
シワをのばしたり、ハンガーにひっかけたりなど、メンバーのよーすけも器用にこなしています♪
片付け
取り込みも、手の感覚をつかってこなしています。
でも一点ポイントが。それは、靴下のペアを揃えること。
生地の触り心地やマークの形などをヒントに、揃えていきます。
マークの形が同じなのに色や模様が異なるデザインの靴下もあるので、一番のおすすめは全く同じ靴下を買い揃えること!
購入の時点で気をつけていれば、見えない人でも楽に家事がこなせますね♪
見える人でも、片付けの手間が減りそう〜♪なるほど〜!
掃除をするとき
(友人)
よーすけの家にもロボット掃除機があるよね。
うちも使っているけど、本当に便利〜♪
ここ数年の間で一気に広がった、ルンバやダイソンなどの自動掃除機。
家事の手間を減らしたい人はもちろん、視覚障がい者にも便利なグッズです。
床に細かいものを散らかさないようにだけ注意!
それさえ守れば、存分に力を発揮して、手を使わなくてもお掃除が完了します。
よーすけ家では、ダイソンのロボット掃除機を使っています。
吸引力はもちろん、アプリもボイスオーバーに対応しているので、掃除機の様子をスマホから音で確認が可能。
手で掃除をする場合は、汚れている場所を妻のゆーなが伝え、一緒に掃除します。
一人暮らしをしている時は、見える友だちが遊びに来た際に確認してもらっていたそうですよ。
視覚障がい者でも、家事はできる!
触覚や音を頼りにほとんどの家事は問題なくできるけど、やっぱり視覚が必要になることはあるんだよね。
だからそんな時は、遠慮なく周囲に頼ってます!
最近は便利グッズも増えたので、見えない人もちょっとずつ、家事がしやすくなってるんじゃないかな♪
生活していく上でかかせない、「家事」。
見えない人も工夫をしてこなしていることがわかりました。
ここ数年で広がった便利家電は、見える人だけではなく、見えない人にも嬉しいグッズだったんですね!
音声機能など、よりアクセシビリティに考慮した製品が生まれれば、見えても見えなくても、より家事の負担を減らし、快適に過ごせますね!
それでもどうしても視覚情報が必要になることもあります。
周囲で助けが必要な家族、友人がいたら、ぜひサポートを!!