障害があると健常者と一部違う生活をすることになり、見える世界や感覚が異なる場合があります。
社会的にはマイナスなイメージの方が多いかもしれませんが、実は「嬉しかった事」などもたくさんあるんです!
本日は実際に視覚に障害があるよーすけの体験をもとに「嬉しかった事」と「大変な事」を紹介していきます。
【注意点】この記事を読む前に伝えたいこと
障害者のイメージってさ、大変そうとか、苦労をたくさんしてそう、とかが多いと思うんだけど、みんなはどうかな?
そうだね、実際にはネガティブな部分から考えちゃうことが多いかも・・・。
やっぱりそうだよね。でもさ、もちろん大変なことはたくさんあるんだけど、障害があるからこそ、気づける「嬉しい事」っていうのも実はあるんだ。
障害者は普段の生活において、例えば街中を歩くときに視覚情報を得られないから危ないや、
車いすが必要だから大変などというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
実際には専用の器具やツールが必要だったり、と大変なことは存在しますが、そんな障害者だからこそ、経験できる嬉しいこともあるんです。
ただし、今回ご紹介する「嬉しい事」と「大変な事」は視覚障害者のよーすけの個人的な経験をもとに記事にしていますので、障害者全般に同様のことが言えるかはわかりませんのでご注意ください。
それでは早速「嬉しい事」から紹介していきます!
嬉しかった事①視覚情報以外の要素で人を判断できる
第一印象って大事ってよく言うけど、見える人の場合、人と接する時に身なりや雰囲気とかの視覚情報からその人の特徴を判断することが多いよね。
俺は見えない分、外見以外の部分に着目しちゃうな。言葉のチョイスとか、話し方とかはその人の特徴がよく出るからよく観察するよ。
見える人の場合、人と接するときに視覚情報があると、どうしても見えるものに影響されがち。
情報の9割が視覚から入っているという話もありますよね。
一方、見えない人・見えにくい人にとっては視覚情報がない分、声色や言葉、実際の行動を踏まえて、その人がもつ空気を強く感じとったりします。
そのため、視覚情報以外に主眼が置かれる傾向に。
そうすることで、見た目ではわからないその人らしさに気づくことができます。
見た目は怖そうだけど、実は優しい人、や見た目がチャラそうだけど芯のある人、などとは視覚情報にとらわれずに会話をすることが可能です。
嬉しかった事②視覚に頼らない世界を常に体感できる
昔よーすけが働いていた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に行ったときに、俺や周りの参加者は見えない中で歩くのも大変だったのに、案内役のよーすけはその中でも普通に行動できててすごいと思ったなぁ~
まぁね~(自慢気)。
俺にとっては社会全体で「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の世界が広がってるようなもんだから、あれくらいは簡単なんだよ。
見える人は、日常的に見えない・見えにくい体験をすることはまずないのでは。
だから「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のようにあえて視覚情報をなくして、その世界を体感するサービスも存在します。
また、コロナ影響で今は実施していませんがディズニーでも「ダイニング・ウィズ・ザ・センス」といって視覚情報を使わずにディナーを楽しむコンテンツがあるんですよ♪
そんな中、見えない・見えにくいという経験ができるのは、視覚障害者の特権です。
それゆえに、見えない・見えにくい人たちは健常者では体験できない、ユニークな経験をすることもしばしば。
例えば、点字や音声で読書や勉強をすれば、寝室や暗い部屋でも目が疲れません。
点字について、過去の記事でも一部触れていますが、点字や音声なら、ベッドに横になりながらの読書も楽々なんです!
嬉しかったこと③周囲に顔を覚えてもらえる
お店やテーマパークなどに行くと、やっぱり目立つからか、店員さんが覚えていてくれることが多くて、実はこれがけっこう嬉しいんだよね~
白杖やルーペを持っていると、他の方よりも目立つため定員さんたちが覚えてくれるケースが多いです。
そうすることで店員さんがよく挨拶してくれたり、ディズニーのグリーティングでは、キャラクターが私の手を取り顔や体を触らせてくれます。
店員さんと顔なじみになると、お得情報を瞬時に教えてもらえますし、買い物や食事もスムーズにできますよ。
そうやって普段の買い物でも店員さんと話すことができたり、声をかけてもらうことで優しさに触れることができて、よかったなと思います。
視覚障害がある私はどのように家事や買い物をしているか、などはこちらの記事で紹介しています。
嬉しかった事④様々な割引を受けることができる!
よーすけと一緒にいると様々なところで割引を受けることができるので、最初はびっくりしました!ディズニーとかも安く行けて幸せ♪
でしょ~もっと俺に感謝してもいいんだよ(笑)
割引に感謝しながらいつもサービスを利用させてもらってます~
障害者手帳を持っていることや一定の障害等級に該当することが条件にはなりますが、一定距離以上の電車運賃が半額になったり、映画料金が半額になったり、公共料金やその他サービスの割引を受けられたりします。
私たちWith Blindメンバーが大好きな東京ディズニーリゾートでも割引があり、お得に楽しむことができます♪
視覚障害者でも楽しめるアトラクションをこちらの記事で紹介しているので、もしよろしければご覧ください。
一方、割引があるというのは、障害者にとってそのサービスに何らかの不自由があることの裏返しでもあります。
だから、割引を受けても、手放しで喜ぶことにはためらいも。
例えば、鉄道駅などにおいてバリアフリーが十分ではないため、運賃の割引で報いているという話も聞きます。
美術館や博物館で割引を受けられる理由としては、バリアフリー環境が十分ではないという理由のほか、見えない・見えにくい人にとって作品を十分に鑑賞してもらえる環境にないからという話もあります。
ここまでは障害があるからこそ気づけた「嬉しい事」について紹介をしてきましたが、逆に「大変な事」も紹介したいと思います。
大変な事①:「障害者らしさ」を求められる
嬉しかった事をたくさん教えてくれてありがとう!
「大変な事」ももちろんあると思うからぜひ教えて欲しいな。
うん、社会を生きる中で、俺が感じていることを率直に伝えていくね。
マスメディアや、私たち大人が作り上げてきた障害者のイメージのひとつに「障害者らしさ」というものがあります。
それに苦しむ当事者や家族、そして周囲の支援者は予想以上に多くいるようです。
例えば、次のようなイメージが一般化してはいませんか。
- 障害がある人は健常者に比べるとかわいそうだ
- 重度障害者は軽度障害者よりも不幸だ
- 障害を乗り越えている障害者は素晴らしい
- 障害があると人の援助が常時必要で、自立は難しい
- 障害者に対する対応は大変でお金がかかる
ところで、みなさんは、「○○らしくいなさい」と言われた瞬間どのような気持ちになりますか。
そんなこと言われたら、自分を見てもらっていないなって感じるな。私だって頑張っているのに、比較されている気分。他人の考えで求められる障害者像になんなきゃいけないの?って感じると思う。
こうした気持ちを理解し、寄り添い、誰もが生活の質の向上ができる社会が実現することを願っています。
まずは、誰かとの比較をやめて、障害者像を意識しないことから始めてみましょう!
大変な事②:街中や職場で「見えないだけなのに…」と感じることが多い
この前不思議なことがあったんだけど、美容室で俺が髪を切るのに、店員さんがヘアスタイルの希望を妻のゆーなに聞いたんだよね~。
よーすけの髪型なんだから、よーすけに聞くのが普通ですよね?
見えないからと言って、よーすけに聞かずに他の人に最初に聞くのはおかしいなって思いました。
美容室、病院、不動産屋、役所などに付き添いとともに行くと、必ずといっていいほど、このような現象に遭遇します。見えないこと以上に障害があるのではないかと思われてしまうことも。
その度に、「見えないだけで、自分で判断できるのに」と感じます。
視覚障害者だけでなく、ほかの障害などがある方にもこのような体験をされたかたは多数いるのではないでしょうか。
相手側に悪気はないと思いますが、対応としては不適切です。
今後、このような出来事があれば、付き添いの方は丁寧な言葉で、「本人に聞いてください」と伝えましょう。
当事者は、足りない情報は確認したうえで、できる限り自分で判断するように心がけましょう。
そうすることで、このような風土が改善されていきます。
一人のちょっとした行動が、多くの状況を変えていくことを今一度意識したいです。
まとめ=嬉しい事に感謝しつつ、障害者のイメージをぶち壊そう!
障害者というと、大変、苦しい…などというイメージが先行するのかもしれません。
確かにそれらも事実ですが、この記事を通して、よい面も多数あることに気が付いてもらえたのであれば幸いです。
また、大変な事については社会が作り出したイメージの要因によるものが多いと感じています。
障害者や支援者の中には、障害者の悪いイメージを壊すために頑張っている人も多数います。
一方、マイペースに自分の人生を楽しんでいる方も多くいます。
どちらが素晴らしいということはなく、「みんな違ってそれでいい」!
肝心なことは、今目の前にいる方、テレビに映る障害のある方がすべてではないってことをみんなで理解し、その人の気持ちを大切にすること。
そして、当事者はしっかりと自分の思いを伝えていくこと。
誰もが楽しい社会を一緒に作っていきましょう!
大変だなと感じるところでストップするのではなく、この記事を通じて、私たちと一緒に考えて・行動してほしいと願っています。
身近なところから良くなるようにと。