点字ブロックの”誕生秘話”や”問題点”

点字・白杖・点字ブロック
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”街中で地面にある黄色い凹凸”
視覚障害者が歩行する際にとても頼りにしているものがあります。
そう、「点字ブロック」です。

今回は点字ブロックについて、誕生秘話や問題点などをまとめてみました!

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点字ブロックの正式名称

よーすけ
よーすけ

みんなは点字ブロックって知ってる?
街中のいたるところで目にする、地面の凹凸ブロックなんだけど…。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

知ってるよ!
視覚障害者の歩行を助けるものだよね。
よーすけ君もやっぱり使ってる?

よーすけ
よーすけ

もちろん!
ちなみに、点字ブロックの正式名称は「視覚障害者誘導用ブロック」だよ。

ゆーな<br>(妻)
ゆーな
(妻)

へー!初めて聞いた。
点字って聞くとあの文字の点字を思い浮かべる人もいそうだもんね。

街中でよく目にする、地面に並んだ黄色い凸凹ブロック。
国の資料やガイドラインなどでは「視覚障害者誘導用ブロック」と記載されています。

一般的には”点字ブロック”と呼ぶことの方が馴染みがありますね。
今回の記事ではわかりやすく、点字ブロックと呼ぶことにします!

世界初の点字ブロックは岡山から

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字ブロックはうちらにとってもなじみが深いよね。
いつからあるんだろう?

よーすけ
よーすけ

調べてみたら昭和42年からあって、実は世界初の点字ブロックが敷設(ふせつ)されたのは日本の岡山県なんだって!

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

知らなかった!
てっきり外国のどこかで発明されて日本に輸入されたと思ってたよ。

ゆーな<br>(妻)
ゆーな
(妻)

でも、何で岡山県なんだろ?
開発者が日本にいたからとか・・・?

よーすけ
よーすけ

ゆーな鋭い!
詳細は以下の動画を是非見てみて。感動すると思うな〜

点字ブロックは、今から50年ほど前の昭和40年に、岡山県の三宅精一さんによって考案されました。

昭和42年3月18日に、岡山県で視覚障害者が利用するであろう場所として、岡山県立岡山盲学校の近くの国道250号原尾島交差点周辺に敷設。
これが、世界初の点字ブロックです。

平成22年の3月18日には、交差点付近に記念碑も設置されました。
そして毎年3月18日は『点字ブロックの日』として定められています。

点字ブロックの種類とデザイン

日本では”黄色い凹凸のあるブロック”が点字ブロックとして広く認識されていますが、いろいろと色の違いや種類もあるみたい。どんな違いがあるのでしょうか?

点字ブロックの色

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字ブロックって黄色を見ることが多いけど、過去にスポーツセンターで灰色のものを見たことがあるかも。
何か決まりはあるの?

よーすけ
よーすけ

視覚障害者といっても、全く見えない人だけではなく、色の識別など少なからず視覚での情報をキャッチできる弱視の人もいるんだ。

そうした人からすると、点字ブロックは”色として”も道しるべとなるから、周囲とのコントラストがはっきりしていた方が良いんだよね。
だから黄色は目立つし、多いんだよ。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

そういうことか〜。
そうすると、落ち着いた色味だとわかりづらいよね?

よーすけ
よーすけ

そうなんだよ。
景観を重視して、黄色よりも周囲に溶け込む色にするケースもあるみたいだけど、それだと色を頼りにして歩いている人からすれば見えにくくて不安だし、安心して歩けない可能性もあるんだよね。

景観を重視するのか、少しでも視力を頼りにしている人の安全性を確保して色のコントラストを意識するのかは大切な点です。

原則黄色となっているようですが、最終的には設置者の裁量に任されています。
場所や団体によっては視覚障害者以外にも、知的障がい者・発達障がい者にとっての色の感じ方に考慮して、赤や緑・青などを採用したところもあります。

多くの方が満足する結果が最も望ましいですが、一番に考えたいのは”安全性と命”ですね。

警告ブロックと誘導ブロック

よーすけ
よーすけ

点字ブロックには、点状に凹凸があるブツブツしているものと、線状に凹凸があるものを目にすると思うんだけど、何の違いか知ってる?

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

駅のホームの線路に一番近い部分は、点状のブロックがあるよね。
横断歩道の境目とか、階段やスロープ、トイレの入り口とかの始まりや終わりとか。

ゆーな<br>(妻)
ゆーな
(妻)

通路とか歩道とかの長く続く”道”は、線状のブロックがありますね。

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点状のブロックは警告や入口を示すサインで、線状のブロックは道順を案内するサインだってことだね。

警告を示す点字ブロックは点状になっていて、誘導を示す点字ブロックは線状になっている。見える人でも、ぜひ覚えておきたい知識ですね。

また、種類とデザインについても、日本では統一した規格が定められています。
興味のある方は、日本工業規格JIS T9251(「視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法及びその配列に関する規定)を見てみてくださいね。

用視覚障害者誘導用標示ーJIS T9251

基準ができて間もないこともあり、街中ではまだまだ統一はされていないようです。これからに期待したいですね!

海外での点字ブロック事情

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

ところで、海外ではあんまり見たことがない気がするけど、点字ブロックがあるのは日本だけなの?

よーすけ
よーすけ

2017年時点だけど、世界の75ヵ国で点字ブロックは導入されているみたい。
あくまでも実体験だけど、ニューヨークや過去留学していたミネソタの都市とか、アメリカではほとんど点字ブロックに出会うことはなかったんだよね。
アメリカだけじゃなく、オーストラリアやニュージーランド、ヨーロッパでも日本ほどはなかったなぁ。

2017年4月時点では、世界75ヵ国で点字ブロックが導入されているよう。
日本で生まれた点字ブロックは、世界へと広がっています。

▼参考記事

点字ブロック半世紀 75カ国に普及、国際規格にも 岡山の男性発明/視覚障害者のインフラに - 日本経済新聞
交差点や駅でおなじみの点字ブロックが、世界で初めて岡山市内に設置されてから今春で半世紀を超えた。視覚障害者の安全な歩行を支える「希望の眼」として海外にも活用が広がる一方、必要としない人々の意識の低さや、誤った理解による危険な設置などの課題も...

海外では、日本の点字ブロックを参考に国際規格が定められていますが、よーすけの実体験によれば、海外ではあまり点字ブロックに触れる機会はなかったよう。

海外では「心のバリアフリー」が物理的バリアフリーよりも先行しているということなんでしょうか。それとも、気が付いていないだけ・・・?
海外旅行へ行った際には、観察したいポイントです。

点字ブロックの問題点

視覚障害者にとって、歩行を援助してくれる便利な点字ブロック。けれど、問題点もまだまだあります。
点字ブロックをめぐる問題について、現在起きていることを3つご紹介します。

①他の人の障害になっている

点字ブロックはその凹凸が原因となり、高齢者や車いすユーザー、そしてバギー等を使用する方にとってはつまずく原因に。
一方、凹凸は視覚障害者にとって、白杖や足裏で確認しながら安心して歩行できる大切な特徴。

凹凸が少ない点字ブロックや、平らな点字ブロックの開発が進められていますが、歩き慣れている視覚障害者にとっては逆に不自由という声も。

②物が置かれている

看板や自転車が点字ブロックの上に置かれていると、視覚障害者の怪我の原因になります。
また、点字ブロックの上を歩いていると、木の枝や頭の高さにある看板にぶつかることもしばしば。

点字ブロックは、みえない人・みえにくい人にとっては視覚を補う大切な道しるべ。
誰もが安心して生活できる街にするためにも、点字ブロックの上や、頭上の高さには何も置かない・飛び出ない配慮を忘れずにいることが大切ですね。

③どこに誘導されているのかわからない

視覚障害者にとって、この点字ブロックがどこに続いているのかわからないという問題があります。
点字ブロックがあるのは助かるけれど、今どこを歩いているのか、目的地まで続いているのかわからないという声も。
特に初めての場所に一人で訪れた際は、困ることも多いんだとか。

最近では点字ブロックにQRコードを埋め込み、スマホと連携して誘導する仕組みも開発されています。今自分が立っている場所や道順を音声で案内してくれます。

東京メトロでの実験の段階ですが、混雑時の対策として音声以外に振動で案内する方法も検討されているようです。
これがあれば、視覚障害者の外出も便利になりそうで楽しみですね!

点字ブロックを通して感じたこと

しんば<br>(友人)
しんば
(友人)

点字ブロックについて、知らないことが多かったなぁ~
ただ無意識で点字ブロックの上で立ち止まってしまったり、物を置いていたことあったかも・・・ってドキッとしたよ。

ゆーな<br>(妻)
ゆーな
(妻)

身近に視覚障害者の方がいないと点字ブロックの存在について、
意識がいかないのかもですね・・・
だからこういった視覚障害者目線を発信し続けることは大事だと思います。

ゆふ<br>(友人妻)
ゆふ
(友人妻)

その通りだね!
あとはしっかりと声に出して、相手に気づいてもらうことも必要だね。

よーすけ
よーすけ

みんなの声、すごく嬉しいよ~
見えない俺からすると、点字ブロックがあるのとないのとでは、安心感が全然違うんだよね。
海外に比べて日本は多くの道に点字ブロックがあってすごく助かる。

でも、車いすの方とか一部の人にとっては生活しづらいものになってしまっているのは心苦しい。
だから、別のより良い方法がないかを模索していきたいな。

街中でみかける、見えても・見えなくても馴染みがある点字ブロック。

約50年も前に岡山県から始まった点字ブロックが、多くの視覚障害者の歩行を助けるツールとなり、海外でも使われているとは驚きですね!

街中に当たり前のように馴染んだものがどんな意味を持つのか。
見える人にとっては何気ない風景でも、見えない人にとっては生活のために欠かせないツール。
あらためて、点字ブロックを考えてみる機会になったらと思います。

参考リンク集

■大阪府/よくあるご質問(FAQ) 視覚障害者誘導等ブロック等http://www.pref.osaka.lg.jp/kenshi_kikaku/fukushi_top/faq-block.html

■視覚障害者誘導用ブロックの維持管理等に関する調査(総務省)
https://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h23giken/program/kadai/pdf/ippan/ippan2-02.pdf

■点字ブロックについて(社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合)
http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free/induction-block/

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そして、視覚障害者を含むメンバーで「見えても、見えなくても」をコンセプトに日常や視覚障がいに関する記事を書いています。

その中でも「見える人へ」の記事はぜひ多くの方に読んでいただきたい記事になるので、多くの方に届く協力をよろしくお願いします!

この記事を書いた人

視覚障がい者を含む20-30代の仲良し友人夫婦がコロナをきっかけに自分たちでしか伝えれない内容や周りへ伝えたいこと、そして好きなことを自由に発信してるブログです!
主に「視覚障害について」、「夫婦のこと」、「好きなこと」について発信していきます。
「みえても、みえなくても」を合言葉に4人で楽しみながら、普段の仕事と並行してブログを運営しています♪

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