【アンケート結果発表!】レビュー情報について視覚障害者が思うこと

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With Blindでは現在、視覚障害者向け総合レビューサービスの開発を進めており、サービス向上を目的にWebアンケートを実施しました。

有難いことに134名もの視覚障害者から回答をいただき、本当に感謝しています♪

その際、多くの回答者から、結果を公表してほしいという意見をいただいたので、記事にまとめてみました!

本記事は見えても・見えなくても同じようにわかりやすいように結果をテキストとグラフの双方で記載します。

アンケート後半の「具体的に利用しているアプリ情報」については別記事で紹介予定です。

※回答結果はWith Blindが独自に収集・集計したものになるため、転用を希望の場合は問い合わせページよりお問い合わせください。

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回答者属性

まず、初めての今回のアンケートに協力いただいた回答者属性について紹介します。

障害種別

・全盲:75%
・弱視/ロービジョン:17%
・視野障害:6%
・その他:1%

今回のアンケートは全盲の方が3/4と最も多いという結果が出ました。

性別

・男性:50%
・女性:49%
・その他:1%

性別は男性と女性が半分ずつという結果でした。

住んでいるエリア

・北海道・東北地方 :14%
・北関東地方:7%
・南関東地方:34%
・北陸地方:2%
・中部地方:12%
・関西地方:18%
・中国地方:4%
・四国地方:1%
・九州・沖縄地方:7%

南関東の方が最も多いという結果になりました。
ただ、数は少ないものの全エリアの方から回答をいただきました。

視覚障害者のレビューに対しての意見

続いて、今回のアンケートのメインの質問です。

視覚障害者の方は世の中のレビュー情報について、どのような意見を持っているのでしょうか。

口コミ(レビュー)を見る時に視覚障害者向けの重要な情報や視点が足りないと感じたことは?

・感じたことがある:89%
・感じたことはない:11%

約9割もの視覚障害者の方が口コミ(レビュー)を見る時に視覚障害者向けの重要な情報や視点が足りないと感じていることがわかりました。

レビュー者の多くが見える方の場合、視覚障害者にとって重要な情報が得られていないケースが多いようです。

よーすけ
よーすけ

やっぱり俺と同じ課題を感じてる方は多いんだ。。

総合レビューサービスはなんとしても実現させます!

現在進めている視覚障害者向けの総合レビューサービスを検討するに至った経緯はこちらをご覧ください。

同じ障害がある方のレビューは健常者のレビューと比較し、どの程度参考になるか

・健常者のレビューよりとても参考になる :33%
・健常者のレビューより参考になる:38%
・健常者のレビューと同じくらい参考になる :25%
・健常者のレビューよりあまり参考にならない:3%
・健常者のレビューより参考にならない:1%

約7割の方が同じ視覚障害者のレビューだと健常者のレビューよりも参考になる、と回答しました。

同じ境遇だからこそ、お互いの必要な情報が欲しいのは、健常者でも同じですね。

参考になると回答した方へ。そのレビュー情報を見れば、通常時より行動意欲や購入意欲は高まりますか?

・高まる:94%
・高まらない:6%

同じ障害の方のレビューが参考になる場合、そのレビューを見ることで行動意欲や購入意欲が高まる方は9割以上でした

これはレビューサービスのあるべき形であると思っており、見えても・見えなくても関係ありません。

しんば
しんば

例えば同じ年代や性別、似た境遇の人が書いた口コミなどはより”参考になる”もんね。ただ、現在のレビューサービスでは視覚障害者の方にとって、そんな情報が得られづらい状態・・・

私たちが開発中の総合レビューサービスではこういったサービスのレビューや投稿・閲覧ができるようにしたいと思います!

どのジャンルのレビューが欲しいと思うか(複数回答可)

・家電 90%
・外出支援アプリ 83%
・駅・バス停・空港 79%
・視覚障害者用支援機器 79%
・宿泊施設・ホテル・旅館等 78%
・飲食店・カフェ 76%
・スーパー・コンビニ・その他商店 72%
・読み書き支援アプリ 72%
・旅行(ツアー、チケット) 63%
・アミューズメント施設 57%
・健康・医療・介護 57%
・デイジー・点字・拡大文字等の視覚障害者等用書籍 55%
・映画の音声ガイド情報 54%
・おもちゃ・ゲーム 41%
・コスメ・美容・香水 34%
・買い物アプリ, 病院のレビュー 1%

レビュー情報を最も求めているのは「家電」であり、90%もの方が回答をしました。

家電の利用方法の説明には画像で済ませるものが多く、テキスト情報が少ないという意見が多かったので、使いづらいと感じてる代表例なのでしょう。

続いて、外出支援アプリ、視覚障害者用支援機器、駅・バス停・空港となっています。

私たちが開発中の総合レビューサービスではこういったサービスのレビューが投稿・閲覧できるようにしたいと思います!

また、その他欄にも多くの意見をいただいたので、一部抜粋して紹介します!

・大人の遊びも情報が欲しい。
・飲食や服飾でどうやって視覚障害があっても就職したかのレビューがほしい
・就活や人材マッチングサービス
・使いやすいウェブサイト、もしくはウェブサイトを効率よく操作する方法などの情報
・日用品便利グッズなど特に清掃用品キッチングッズ
・ネットバンキングや電子決済で使用するアプリやウェブサイト
・ファッション(洋服・バッグ類・靴)
・アプリ全般
・施設などで盲導犬に対して入店拒否などしない店
ゆーな
ゆーな

こうやって見ると現状で情報が足りていないサービスばかりですね、、
最初に全ては難しいかもしれませんが、私たちのサービスを拡充していけるようにがんばります!

レビュー投稿をしたくなる、と感じるもの(複数回答可)

・選択肢を選ぶだけで投稿できるなど、簡単にレビューできる 85%
・自分のレビューが誰の役に立ったのか、何人の役に立ったのかがわかる 49%
・投稿数に応じて普段の生活に使えるポイントなどがもらえる 47%
・周りの友人などもみんな利用している 33%
・位置情報からレビューする場所が自動で通知される仕組みがある 21%
・友人や知人などに投稿を促された 19%
・投稿数に応じてアプリ内の会員ランクが向上する仕組みがある 15%

レビューをしたくなる条件としては「選択肢を選ぶだけで簡単にできる」が85%と圧倒的に高い結果となりました。

ゆふ
ゆふ

確かにフリーワードなどが多いと途中で面倒くさくなりますよね。。

必要最低限の情報にし、投稿のしやすさにも配慮したいと思います!

また、2番目に多かった、「自分のレビューが誰の役に立ったのか、何人の役に立ったのかがわかる」についても実装したいと思っているので乞うご期待!

また、こちらも設問もその他欄にも多くの意見をいただいたので、一部抜粋して紹介します!

・全盲と弱視のレビューを検索フィルターで分かれると嬉しいし紹介もしやすい
・時間のある時に詳細情報を書き込むなど、後から追記できたりすると情報提供しやすい
・より役に立った情報が上位に上がる方式は良いかも。
・現在は家で落ち着いて書くことがほとんどなため、ショップ等で手軽にレビューできる仕組みは良い
・投稿欄が分かりやすく投稿しやすくなっている。
・レビューに対して質問やリプライなどのやりとりができる
・利用者の声が、製品の品質向上やトラブル解消に反映されていると実感できると、とてもうれしい。

確かにレビューを書く環境によって、必要な機能が変わってきますね!

詳細なご意見ありがとうございます!

アプリ利用の使いやすい/使いづらい点

続いて、私たちは総合レビューサービスのアプリ展開を考えているため、普段利用するアプリについての使いやすい/使いづらい点を調査しました。

普段アプリを利用する上で重視している要素(複数回答可)

・音声読み上げに対応している 91%
・画面遷移が少なく、シンプルな構成になっている 61%
・広告が少ない 61%
・決まった位置にボタンやタグが配置されている 54%
・必要な情報のみ通知がある 46%
・自分の周りにも利用している人が多い 37%
・拡大やコントラスト表示が可能 15%

「音声読み上げに対応している」が91%と圧倒的な結果となりました。

多くの視覚障害者はアプリの利用時にボイスオーバーなどによる読み上げを利用しているため、その読み上げが対応しているか、はやはり最重要項目のようです。

さらに「広告が少ない」や「画面遷移が少なく、シンプルな構成になっている」が次に高い61%となっていますが、これはみえても、みえなくても同じですね。

また、こちらも設問もその他欄にも多くの意見をいただいたので、一部抜粋して紹介します!

・読み上げスピードと文字の大きさ、コントラスト、文字同士の距離がアプリ内で変えられる
・通知される内容も読み上げられるか(通知される情報の中には写真や表が画像になっている場合もあるため)
・見出しタグが適切につけられている
・AndroidOSでも使える
・料金・課金制度 セキュリティなどの安全性 サポート窓口の利便性や日本語対応かどうか
・定期的に更新がある。最新のOSに対応している。
よーすけ
よーすけ

通知内容の読み上げ対応は非常に同意です!せっかく普段は読み上げ対応をして使いやすいのに、お知らせなどの内容が表や画像だと内容がわからなく、残念に思うことがあります・・・

アプリを利用する上で「使いづらい」と感じたことがある要素(複数回答可)

・一部の画面で音声読み上げに対応していない 90%
・画面遷移が多く、複雑な構成になっている 73%
・広告が多い 66%
・画面ごとにボタンやタグの位置が異なる 60%
・画面の情報量が多すぎる 47%
・通知が多く、重要な情報がわかりづらい 36%
・周りに利用している人が少ない 24%
・一部の画面で拡大やコントラスト表示が対応していない 18%

重視してる点、同様に音声の読み上げの観点の項目が90%が最も高い結果となりました。

続いて、「画面遷移が多く、複雑な構成になっている」、「広告が多い」と使いやすい条件にほぼ連動した結果となりました。

また、こちらも設問もその他欄にも多くの意見をいただいたので、一部抜粋して紹介します!

・ボタンや画像しか言わない。ついていたとしても画像説明が雑
・ボタンにラベル、見出しタグがついていない
・表示項目名と、内容の順番がうまく読み取れない場合。
・AndroidOSでも非対応なこと
・画面の配置のアップデートが多く、せっかく配置を覚えて慣れてきてもやり直しになる
・サポート窓口や問い合わせなどのリンクの場所がわかりづらい
・画面構成でカテゴリや項目が並んでいて、場面転換後の画面でもまた全部のカテゴリや項目がある場合
・天気アプリや防災アプリで、雨雲情報や台風情報、危険区域や避難場所などの表示が地図表示のみや画像、色分け表示で文字情報が無い
・ショッピングサイトで検索ボックスやログイン入力ボックスがわかりづらい(場面転換しても常に最初にあると便利)
・ボタンやフィールド名を日本語で読み上げるように設定していても、デフォルトの英語表記の読み上げを抑制していなくて、英語と日本語を順に読み上げるアプリがある。
・ダブルタップしても反応しない

その他意見の中では「ボタンにラベルや見出しタグがついていない」という意見が多く寄せられました。

フリーコメントの紹介

アンケートの最後にフリーコメントで記入いただいた中にも非常に重要な意見が多くありました。

本当にありがとうございます。

記事の関係上、全文を載せることが難しいため、一部抜粋して、紹介させていただきます。

※できるだけ多くの方のコメントを紹介したいため、非常に長くなっておりますがご容赦ください。

・アプリやサービスで、「小さな配慮」を見つけただけでも嬉しくなります。
・今はそれぞれジャンルを絞った情報が多いので、全般的な情報の発信、取得の取り組みは大変興味があります。
・家電の操作音について、ボタンを押してメニューや項目を移動する際、1か所音を違えてあるだけで何を選択しているのかがわかるようになります。
・兎に角シンプルに使えることが安心気軽に使用できてよく使うようになる。
・アプリの初期設定には、もっと設定内容が音声環境でも入力しやすいものになればより使うようになると思う
・私は盲導犬ユーザーなので、受け入れ環境や対応のレビューに関心があります。
・”家電製品などのレビューについて写真での説明が多いため、言葉で商品の全体像を説明したり、
操作部をボタンなのかタッチパネルなのか説明したりしてもらえるようなページがあるとありがたい。
・今後も私たち視覚障害者にとって便利なアプリがたくさん開発されることを願っています
・首都圏だけでなく各県単位の情報にも対応したレビューサイトにしていただけるとありがたいです。
・最近増えてきたセルフレジのレビューなどがあると嬉しいです。
・多少複雑なアプリであっても、全ての画面を読み上げてくれるものの開発を望んでます。
・ボイスオーバー機能やズーム機能を使用して使っていますが、個人情報の登録がうまくいかないことが多く、どこが間違っているかを教えてほしい
・これを機会に視覚障害者にとってもスマホなどデジタル機器が使いやすい社会になってほしいと思う。
・口コミは、楽天トラベルやアマゾンでよく見ている。視覚障害者のコメントかどうかがわかるようになるとよいですね。
・スクリーンリーダーに完全対応しているアプリが少なすぎる
・フィードバックしても改善されないことが多い
・飲食店に行く前にネット上でメニューを確認しているが、写真でメニューを写していることが多く見えづらくて困っています。

まとめ

今回のアンケートを通じて、現在視覚障害者が必要な情報を得づらい状況や、特に求めているサービスのジャンルを知ることができました。

使い易さにおいて重視している点も踏まえて、現在開発中の総合レビューサービスに活かしたいと思います。

またフリーコメントなどで今回の私たちの活動を支援する声を多くいただきました。

こういった声をいただくと本当に元気になります!ありがとうございます!

総合レビューサービスに関する情報も引き続き発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします!

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With Blindでは視覚障害者向け、そしてその周囲の人向けにオンラインスクールを提供しています。

オンラインスクールWith Blind – 見えても 見えなくても学べる環境を

 

そして、視覚障害者を含むメンバーで「見えても、見えなくても」をコンセプトに日常や視覚障がいに関する記事を書いています。

その中でも「見える人へ」の記事はぜひ多くの方に読んでいただきたい記事になるので、多くの方に届く協力をよろしくお願いします!

この記事を書いた人

視覚障がい者を含む20-30代の仲良し友人夫婦がコロナをきっかけに自分たちでしか伝えれない内容や周りへ伝えたいこと、そして好きなことを自由に発信してるブログです!
主に「視覚障害について」、「夫婦のこと」、「好きなこと」について発信していきます。
「みえても、みえなくても」を合言葉に4人で楽しみながら、普段の仕事と並行してブログを運営しています♪

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