この三つの「しょうがい」という表記、みなさん違いを知っていますか?
どれか一つが正しいということはなく、様々な人・場所・団体それぞれの見解によって、表現が異なります。
表現の違いを知り、理解がさらに進むよう、それぞれの違いを書いていきたいと思います。
漢字での表記の比較『障害or障碍』
(妻)
視覚障がいとか身体障がいとかっていう時の「しょうがい」の
表記なんですが、どれが正しいんですかね?
(友人妻)
漢字の場合は「害」という字以外にも「碍」という字を使っている場合もあって、わからないよね。
それぞれの漢字の違いとしては
「害」は災害など悪い出来事が生じるという意味。 「碍」は邪魔をするなど、妨げるという意味
で使われます。
「障害」と「障碍」を辞書で調べたところ、どちらも意味としては同じ。
法律や条例等では、障害が一般的な表記となっています。
漢字とひらがなでの表記の比較『障害or障がい』
(友人)
最近はメディアなどいろいろなところで、「障害」を「障がい」とひらがなで表記しているところもあるね。
「害」の字は”災害”や”損害”などの言葉でも使われるとおり、ネガティブなイメージを持たれやすい。
そのため、『障がい』とひらがなで表記することもあります。
国やメディア(NHK)では、どのように表現を変えているのでしょうか?
国の見解は?
国では、特定の表記に決めていないようです。
また、法令では「障害」と漢字で表記されていました。
様々な主体がそれぞれの考えに基づき、「障害」について様々な表記を用いており、法令等における「障害」の表記について、現時点において新たに特定のものに決定することは困難であると言わざるを得ない。
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_26/pdf/s2.pdf
NHKの見解は?
NHKでは「障害」と、漢字表記しているようです。
NHKでは明確な理由で「害」を使い続けています。それは、「障害」はその人自身ではなく、社会の側にある。障害者=社会にある障害と向き合っている人たち、と捉えているから
出典 https://ananweb.jp/news/84910/
Googleの検索結果数はどちらが多い?
「視覚障害者」と「視覚障がい者」で検索結果数を比較してみましょう!
<検索結果数>
◆視覚障害者(「がい」の漢字表記):2,200万件
◆視覚障がい者(「がい」のひながな表記):349万件
漢字表記の方がひながな表記よりも、約6倍も検索結果数が多いという結果になりました!
(妻)
確かによーすけと一緒にいるまでは特に意識せずによく見る漢字の
「視覚障害者」という表記を使ってたなぁ。
一般的には、漢字表記の「視覚障害者」と認識しているケースが多いようです。
当事者(障害者団体)の見解は?
悪いイメージを与えないためにも「障がい」とひらがな表記が良いとする意見がある一方、あえて「障害」と記載する場合もあります。
「障害」の表現では、当事者に原因があるのではなく、社会に障害が存在するという考え方に基づき、漢字表記とされています。
参考までに、最近の乙武さんの記事はこちら↓
肝心なのは表記?With Blindが出した答え
みんなのように障害がない人はあまり考えたことがない話だったよね。
ぜひみんな側の意見を知りたいな。
(友人妻)
言葉だけを変えたって、何にもならないことはすごくわかった。
その上でやわらかい感じがするひらがながしっくり来るかな。
乙武さんの記事にもある通り、言葉だけの問題ではないことは今回の記事を書いていく上で学べました。
そして実際に障害のない人からの考えと当事者の意見が異なるのも納得です。
当事者の俺としては「障がい」も「障害」のどっちも前向きにはなれないな~。
確かに、法律とかメディアで当事者を指して呼ぶ呼び方は必要なのかもしれないけどさ、「障がい者」っていう言葉でひとくくりにされると、何か違和感があるんだよね。
(友人)
確かにそうだね。
例えば、男性だから・女性だから、とかでひとくくりにされること多いよね。
それぞれみんな違うのに。
うん。
だから、なるべく「見えない人」「見えにくい人」とかの表現の方が俺は個人を見てくれている気がして心地いいかな。
いくつもの表現がありますが、「肝心なのはどう表記するのかではなく、その表現の向こう側にいる当事者の気持ちをどれだけ理解できるかが重要」ですね。
確かに、障がいにかかわらず、相手の立場に立って考えることはいつも大切ですよね。
With Blindとしても、表記の違いの問題ではなく、一人一人がお互いを思いやる気持ちが大切、という風に捉えていきたいと思います。
障がいはどこにあるのか?というテーマでも書いているのでぜひご覧くださいね!▼▼